鍼灸コラム
自律神経の乱れは「身体の感覚が鈍ること」から始まる
「ながら生活」と自律神経・内受容感覚の関係
スマホを見ながら食事をする。
テレビをつけたまま家事をする。
SNSや音楽を流しっぱなしで仕事をする。
現代人の多くは、無意識に「ながら生活」をしています。
一見便利に見えるこの習慣は、自律神経の乱れ・慢性的な疲れ・心身不調の大きな原因になります。
なぜなら、「ながら」は自分の身体の感覚を感じる力(内受容感覚)を弱めてしまうからです。
内受容感覚とは?
内受容感覚(インターセプション)とは、
自分の体の内側の状態を感じ取る力のことです。
たとえば、
- 眠い
- お腹が空いた
- 呼吸が浅い
- 緊張している
- 冷えている
といった微細な体調の変化を察知する力が、内受容感覚です。
この感覚がしっかり働いていると、人は無理をしすぎる前に自然と休んだり、食べたり、姿勢を変えたりできます。
つまり、自律神経を自分で整えられる状態になります。
「ながら生活」が内受容感覚を鈍らせる理由
スマホやテレビに意識を向けていると、
注意は常に「外側」に引っ張られます。
すると、
- 身体の疲れ
- 呼吸の浅さ
- 胃腸の違和感
- 心の緊張
といった内側のサインに気づけなくなります。
これが続くと自律神経失調症・慢性疲労・不眠・頭痛・めまいなどにつながっていきます。
東洋医学から見た「ながら」と心身分離
東洋医学では、心と身体は「気」によってつながっていると考えます。しかし「ながら生活」を続けると、
- 身体はここにある
- 意識はスマホや仕事に飛んでいる
という状態になります。
これは、心と身体が分離している状態です。
エネルギー(気)の流れが乱れ、
- 肩こり
- 胃腸の不調
- 動悸
- 不安感
- イライラ
などの症状が起きやすくなります。
自分の身体に戻るための簡単な方法
内受容感覚は、トレーニングで回復します。
1日3分でいいので、
何もしない時間を作ってみてください。
- 呼吸の音
- 胸やお腹の動き
- 心臓の鼓動
- 身体の重さ
を感じるだけでOKです。
最初は退屈に感じますが、続けると、
- 呼吸が深くなる
- 身体が温かくなる
- 心が落ち着く
といった変化が起こります。
これは、自律神経が整い始めたサインです。
自分の身体に戻ることが、回復の第一歩
不調の多くは、
「治す」前に「感じる力」を取り戻すことで自然に改善していきます。
自分の身体の声を聞けるようになると、
- 無理をしない
- 必要な休息を取れる
- 本当の感情に気づける
ようになり、心も身体も安定していきます。
これが、自分の身体に戻る力です。

